「特優賃」って実際こんな感じ。 | 幸せ・愉快な節約生活~ちょこっとマネー

「特優賃」って実際こんな感じ。

特定優良賃貸住宅」、略して特優賃
最近は一般の賃貸情報誌や、主婦雑誌にも取り上げられることが多いので、ご存知の方も多いと思います。
我が家は、まさにこの制度を利用しているマンションです。

大阪の中心部からはちょっと離れた(電車で約40分)ところで、
駅から徒歩10分くらい、7階建ての6階。3LDK。
駐車場あり(車を所有していないので利用せず)。
スーパーが徒歩圏内に複数あり、商店街もあるので結構便利なところです。

さて、家賃はいくらでしょう・・?


もともとの家賃は、共益費(管理費)とあわせて12万円強のところ、
大阪府の特優賃家賃補助によって、約10万円になっています。
(これに他の私的補助も加わって、実際は約8万円の家賃支払い。)
おおよそで、年間に特優賃により24万円ほど違う計算です。



相場が10万円前後~のところなので、あまり大差ないようなのですが、
実際同じくらいの家賃で部屋探しをしてみて、
特優賃に指定されているところと、そうでない一般賃貸と比較してみると、
地区年数や建物の建て方、敷居面積、収納などに違いがありました。


しかもおもしろいことに、
普通の賃貸であれば、地区年数の古いものほど安くなるものですが、
この制度は、建物を基準とした補助のため、新しいものほど安くなるような仕組みになっているんです。



そもそも、特定優良賃貸住宅というのは、
建物の規模や構造、設備、周辺環境などが、法律で定められた基準をクリアしているものとなっています。
基準例:
・耐火または準耐火構造になっていること
・占有面積の9%以上を収納スペースにしていること
・占有面積50㎡以上125㎡以下で、天井高2.3m以上であること
・床段差がなく、トイレ・浴室に手すりがついているなどのバリアフリー設計であること
など。
(※自治体や物件にて若干の差異あり)
ファミリー向け住宅のため、2LDKまたは3LDKが中心です。

そしてこれは、自治体から建物にかけられる補助となっていて、
その期間は概ね20年間となっており、徐々に補助額が少なくなるような制度となっています。
そのため、新しいものほど補助額が大きいのです。


「家賃が安くなり、よいところに住めるなんて、とってもよい制度!?
 でも、補助を受ける条件が厳しそう・・・」
私達夫婦も、どうだろう?と思ったのですが、
制度の内容さえ理解してしまえば、手続きは若干面倒なものの、
その割には適っているものだと今のところ思っています。



実際、条件としては、
自ら居住するための住宅を必要としていること
同居もしくは同居しようとする親族が1名以上いること
(入居までに入籍し同居可能な婚約者も可)
世帯年収が各自治体の所得基準に適していること(給与所得者と事業所得者で基準は異なります)
日本国籍があるか、または指定資格のある外国人であること(連帯保証人も同様)
連帯保証人を1名立てられること
があります。


この中で、一番ネックになりそうなのが、所得基準だと思います。
これは、建物によって3ランクまたは5ランクに分かれています。
高所得の世帯になってくると、あまり補助が出ないので、
元の家賃と変わらなくなってきますが、
所得が少なめの世帯だと、かなりの補助が出ることになります。
また、毎年所得の見直しがあるので、前年度所得が少なくてランクが変われば、
家賃補助が増えるということもあります。(逆に減ることもあります)

計算は、
(世帯収入-所得控除)÷12
で月額を出すことができます。
下記サイトのように、おおまかな目安表を提示しているところもあります。
(大阪府の例)
大阪府所得基準早見表
収入計算の方法



条件がクリアしていそうだということがわかったら、今度は部屋探しです。
特優賃は数が限られていることと、手続きが少々面倒であること、
また不動産会社にとって仲介手数料が自由に決められない(紹介のウマミが少ない!)ことがあるので、
取り扱っているところは少なかったりします。
私が探す時にもそうだったのですが、いわゆるチェーンの不動産会社さんは、
取り扱っていても、数が少なかったり制度のことをよくわかっていなかったりということがあったので、
できれば、特優賃を主に取り扱っているところを尋ねるのがベターだと思います。


ここだ!と思う物件に出会えたら、今度は手続きです。
これが最も難関かもしれません。
まず、資格審査に必要な書類を用意し、もれなく提出します。
世帯全員の住民票または外国人登録済証明書(続柄記載のもの。婚約の場合、両家の家族のもの)
源泉徴収表(所得のある家族全員分)
住民税課税証明書(16歳以上全員分)
その他、必要書類


私の場合、婚約時に手続きを行ったので、
・婚約証明書
というのを出しました。
決まった形式の紙で、何日頃に籍を入れます、ということを書くものでした。
また、直近で退職したので、
・退職証明書または雇用保険受給証明書の写し
も提出しました。
また、これも場合により異なるようですが、
・連帯保証人の印鑑証明、住民税課税証明書
も必要でした。



後は、ひたすら待ちます。
一般賃貸を借りるのと異なり、結構な時間がかかるので、
引越までに余裕を見ておかなければいけません。
公社などによって、翌月の1日にならないと鍵を渡せない、というところもあります。
1~2ヶ月の余裕は必要かと思います。
(部屋探しをする時期が遅かったので入居手続きが間に合わず、結婚式してから1週間くらい別々に住んでいた夫婦がここにいます(^^;)


契約を交わし、鍵をもらったら、一安心です。
後は普通に引越です。
住んでしまうと、他の世帯も年齢や子どもの有無に違いはあれ、
ある程度の基準の下で入居されているので、特別トラブルがあるようなことはなさそうです。

その後は毎年、必要書類の提出と家賃の見直しがあります。
ランクが変わらなくても、少しずつ家賃は上がります。
どれくらいそこに住むかは、残りの補助の兼ね合いがあるかなと思います。

どうでしょう、めんどくさそう・・?
でも、次に引越を考える機会があれば、一般物件と比べてみる価値はあるかもしれません。
結婚して新生活を始めるにあたっては、メリットが大きいと思いました。
他にも自治体によって新婚補助などもあるので、使い勝手によりけりですが。



参考
知って「トク」するとくゆうちん(アパマンショップ)
特優賃インフォメーション
この他、各地方自治体によるサイトや地域の不動産会社サイトにも複数情報があります。

 

=追記=

トラックバックステーション 第22回 引っ越しました。

に、ちょっと古い記事になっちゃうんですが、参加させていただきました。